陽維脈
陽維脈は全ての陽脈とともに督脈に連絡して人生を活動させる督脈の資質を使っていく。陽維脈は陽脈と繋がり身体の外側を支配している。督脈は母性から分離して独立する個性化への意欲を与えてくれる。陽維脈は個性化へ行動する意欲をどのように使っていくかの決断をサポートする。督脈は周囲の世界に探訪する欲求を生み出し、陽維脈はどのような行動をとるかそしてその探検を成し遂げる行動をサポートする。
陽維脈が健全であれば社会に受け入れられる有効的な方法で行動でき、我々の成長と幸福感をもたらす。我々の行動は周囲に対して適切であり我々が誰であるか本物の表現ができる。もし本当に怒りがあれば「行動」として身体的な暴力あるいは言葉でそれらの感覚を表現する。健全な陽維脈であれば暴力は感情を開放するがそれは最終的に我々が求めているものではない事を解からせてくれる。成長とともにと共に怒りを暴力で誰かを叩いて表現する事は社会で受け入れられず、人間関係を修復できない損傷を及ぼす、あるいは牢獄行きの結果になることを学んでいく。健全な陽維脈が維持されていても怒りを感じて表現するが、それは自分の成長や感覚に悪影響を及ぼさないようになる。
陽維脈と対立・葛藤
陽維脈に葛藤があると過去の体験に起因する出来事で前進することへの恐れが生ずる。例えば、悪い結果で終わった関係があると新しい関係を築くことに躊躇して結果的に以前と同じような悪い結果に終わる。あるいは、関係を維持すると決意した時に喧嘩がエスカレートして多くの痛みが起こるので対立するのを止める。そして対立を止めることになんでもするようになる。それは対立に起因する怒りをどこかに置き換えることになる。怒りを飲み込こむことで肉体レベルでの頭痛や関節痛が起こってくる。感情をより弱くして鎮める方法として飲酒、暴食あるいは過剰にテレビを見るようになる。
怒りはひっそりとあるいは無意識に受動的攻撃行動として現れる。彼は非常にナイスな男性で平然としているが、彼が怒った時に洗濯時で私のセーターを縮めてしまった。そして彼はただ手伝いたかっただけだという。そしてその後も謝罪する。ただ彼は怒りがあったことは言えない。
彼の怒りに対する葛藤は健全な怒りに対する解決を見出させることができない。前に進むことへの恐れは変化への抵抗の一形態です。抵抗はうっ滞を作り出し、熱を産生させ我々を不快にさせる。我々は」この不快感を変化への原動力として使う事ができるが、彼らは不快感を和らげる湿を作り出す。湿は初期に熱を抑えるが、最終的には更にうっ滞を作り出し苦悩を増加させる。これが陽維脈の病理です。
陽維脈と加齢
変化に抵抗する他の一面は年齢との関係で25歳を既にずっと以前に過ぎていてもあたかも25歳のふるまいをする。中年危機の決まり文句の分かりやすい例です。これは典型的に大きな誕生日(重要な通過点)である39(女)あるいは40歳(男)に近づいている時に起こる。これらの人は迫りくる目印を恐れる。これらの人々は誰かが一見無邪気なコメントをし、それが老化に対する意識の高まりを引き起こす、あるいは自己認識の変化が起こるまでは年齢の変化に対する感情をうまく管理していたと感じている。“ヨンゼロ”を1歳超えたらどのように感じるだろう”、“ワオ、40歳を超えたら下り坂だ”、“家族形成をを何時から始める”、“退職のために何を準備する”。これらのリマインダーは、重大な不和と避けられないことへの抵抗を引き起こす可能性がある。これらの人々は無意識で時間を逆行させて若い時の感覚を再創造しようとする。彼らは赤いスポーツカーを購入したり、次の日の朝に仕事があっても飲みに行ったりする。離婚が起こったら若い時を取り戻すために若い女性とデートを始める。これらは一時的に加齢から気を紛らさせるが最終的には若い時には戻れないので失敗に終わる。
陰維脈と同様に陽維脈は7/8歳の精サイクルの変わり目を助ける働きをしている。これらの脈は加齢プロセスに適合する、そして年齢に伴う洗練された行動を取ることを助ける。これらはストレス下そしてチャレンジングな時の振る舞いも含まれる。我々は過去の経験から学びがある。癇癪はよりよい人間関係を築くのによい方法でないことを知っている。これは今までの行動の結果から学んでいる。
加齢への抵抗は我々がより若くよりハッピーの時の記憶に基づいている。おそらく、私たちがより大きな影響力や可能性を持っていると感じた時、そして大きな夢が失敗で打ちのめされていない時である。これらは陽維脈の病理の典型パターンである。過去の幸せだった時にフォーカスして将来に用意されている有用な選択肢を拒否し、見ることができない。何日も何年も先にやってくるものは、過去の幸せな思い出ほど良いものではないと信じている。
陽維脈と少陽
陽維脈は胆嚢と少陽と強い繋がりを持っている。督脈の資質をどう使うかという決断する必要がある。どのような行動が私たちを動かし続けるのか。これらの関係は陽維脈の病理であるジャッジメントと非難に関連している。陽維脈に病理がある場合に人生の運命に失望している。自分の状況を他人のせいにして責める。胆嚢が関連する症状は落ち込み、勢いがないあるいは人生の方向感覚がないなどである。彼らは人生における情熱あるいは何かをマスターしたことがないと感じる。彼らは何かをマスターするために長時間フォーカスすることができない。彼らは優先順位を組み立てる事が難しく容易に気が散ってしまう。例えば彼らは手に多くのパイを持ってどれが一番良いパイか探すが見つけられなかったとかである。これらは大きな失望を与え人間関係や社会科化を困難にしてしまう。これはあたかも首を切られた鶏のようである。多くの動きがあってもそれはカオスであり目的を欠如している。それはどこにも行かない動くです。
陽維脈と自己破壊
陽維脈に病理がある人は自滅しやすい、あるいは自己破壊的な行動を取る。彼らは過去の自分の行動の結果うまくいかなかった経験があるにも関わらず同じ行動で違う結果が起こることを期待している。彼らはひどい損失を被り撤退し続ける。他の例として怒りや恐怖に陥った時に物理的な破壊行動を取るヒトである。これらの行動は決して成功することはないが同じ感覚が沸き上がった時に起こる自動的な反応である。
陽維脈の病理として恐怖で動けなくなるのもよくある症状です。これは交感神経反応における“フリーズ”で固まった状態です。彼らは恐れた時には何もできない。再度言いますが、これは未来に対する恐怖で最終的には死に対する恐怖です。それは究極の移行を交渉することができないことです。末期の病気からの差し迫った通過を受け入れるのが困難な人に対して陽維脈を治療することはとても有益です。陰維脈及び陽維脈のバランスを作り出すことで究極の通過点をより容易に、恐れを減らし、平和なマインドで受け入れられるようにできる。
彼らは恐れや湿に邪魔されて陽の気が四散されている状態なので正しい行動を取る能力が欠如した状態で何もかもうまくいかないかのように感じることがよくあります。本当の成功を達成することは不可能であるかのように感じさせるので再度失望を味わうよりも何もしない事がより良い選択だとしてしまう。
陽維脈の走行
陽維脈の走行は足の裂け目(Xi-cleft*)にある膀胱経の金門から始まる。そして外側のくるぶしを通って上昇して陽交に至るが、陽光もまた陽維脈のXi-cleftである。陽維脈の最初の二つの経穴がXi-cleftであるのはとても興味深い。なぜなら陽維脈の治療が適応になるのは感情的な病理である変化を通り抜ける時に発生する“行き詰まり”感を治療する経穴であるからである。更に陽維脈は足外側を上昇して(少陽)胆嚢経の巨髎に腰で合流する。そしてここから体側面を肩まで上昇して臂臑、臑兪、肩髎そしてその後は胆嚢経に入り本神、陽白に至って反転し頭の臨泣、脳空を通過してうなじに戻って督脈の陽気の源の風府と亜門に繋がる。
奇経八脈を他の資料で学んだ人は上記の走行が異なっていると気づくでしょう。実際には多くの走行が存在します。頭部の経路で最も重要なのは胆嚢経の経穴でこれらが督脈の風府と亜門に繋がることです。頭により強い影響を及ぼす陽蹻脈は膀胱および胃経の経絡を流れます。陽維脈は変化に効果的に対応できるとても柔軟性と適合性に富んだ脈です。陽維脈は人生の次の挑戦に立ち向かうために、自分の選択肢を見て、恐れを克服する勇気を持たせます。
(Xi-cleft*):Xi裂け目は、急性/緊急疾患や疼痛症候群の治療に優れています。「Xi」は「裂け目」を意味し、チャンネルの気が深く集まる場所
陽維脈で治療する一般的な状態
・身体のが表層を守る衛気の循環が障害される状態。外風、少陽の異常、震えおよびBi症候群
・耳の問題特に体表のアタックによる症状
・胆嚢経に沿った頭痛
・背中、肩および腰の痛み(身体の側方の痛み)
・肩を上げて呼吸する呼吸困難